今さらCanvaで副業?おやじが4つの仕事を調べて出した結論

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8月の終わりだというのに、帰りの電車はまだ夏のままでした。
片道2時間。
座れた日の後半だけが、私にとっての貴重な時間です。
その日はスマホで「Canva 副業 50代」と打ち込んで、出てきたページをぼんやり眺めていました。
正直に言うと、検索しながら心の中ではこう思っていたんです。
「どうせ若い人向けの話でしょう」と。
デザインなんて、センスのある人がやるものだと。
私みたいな、白髪混じりで老眼鏡をかけ直しながらスマホを見ている人間の出る幕ではないだろう、と。
それでも調べたのは、家に高校3年生の息子がいるからです。
来年の春には受験があります。
返済中の借金は400万円。
「もう遅い」と思うたびに、何もしなかった時間だけが増えていく。
それがいちばん怖かった。
この記事では、こんなことをお話しします。
- Canvaを使った副業は、50代・未経験の自分にもできそうなのか
- 実際の仕事の値段を調べて、自分の時給に直したらいくらだったか
- 登録画面のどこで、私の手が止まったか
Canvaの副業は、50代でも本当にできるのか
Canva(キャンバ=ブラウザで使える、無料でも始められるデザイン作成サービス)は、名前だけは知っていました。
ブログのアイキャッチ(記事の顔になる画像)を作るのに、私も何度か触ったことがあります。
ただ「触ったことがある」と「それでお金をもらう」の間には、深い川があります。
そこを埋めるために、まず仕事の値段から調べました。
調べてみると、いちばん数が多いのはSNSの投稿画像を作る仕事だそうです。
相場は1枚あたり2,000円くらいから。
1件の依頼で5枚から10枚まとめて、という形が多い。
実際に、10枚組の投稿デザイン一式で2万2000円という条件のものもあるようでした。
数字だけ見ると、悪くない。
むしろ「え、そんなにもらえるの」と一瞬思いました。
この「一瞬思った」が危ないところだと、後で自分で気づくことになります。
調べて分かった4つの仕事と、私の正直な判定
① SNSの投稿画像づくり(判定:◎)
お店や会社のインスタ用に、写真と文字を組み合わせた画像を作る仕事です。
文字の位置や色の決まりが最初から用意されていることが多く、ゼロから絵を描くセンスは求められないらしい。
求められるのは「決まりどおりに、きれいに、早く」。
これは、仕様書どおりに動くものを作ってきた私の本業に、少しだけ似ています。
② チラシ・バナーなどの単発デザイン(判定:◯)
単発なので気は楽ですが、そのぶん毎回ゼロから探すことになります。
実績がまったくない状態だと、選んでもらうのは相当きびしいだろうと感じました。
③ 毎月続く「運用代行」の契約(判定:△)
同じお店の投稿を、毎月まとめて作り続ける形です。
安定するという意味では、いちばん魅力的に見えました。
ただ、私は往復4時間の通勤がある契約社員です。
「毎月8本から10本」と言われて、素直にうなずける生活ではありません。
受けてから納品が遅れて迷惑をかけるのは、いちばんやってはいけないこと。
だから今の私には△です。
いつかの目標として、頭の隅に置いておきます。
④ 練習作品を並べた「見本帳」づくり(判定:◎)
ポートフォリオ(=自分が作った作品をまとめた見本帳)を先に作っておくと、依頼される確率がはっきり変わるそうです。
これは実績ゼロの人間が、今日ただで始められる唯一の作業でもあります。
私のように、まだ1円も稼いでいない人間にとっては、ここが入り口だと思いました。
プログラマーのおやじが、電卓を叩いてみた
ここからが、私が本当にやったことです。
2万2000円という数字を見て、私はまず電卓を出しました。
長年、見積もりと実際の作業時間がまるで合わない現場にいたせいで、金額を見ると反射的に「これ、何時間の仕事だ?」と考えるクセがついているんです。
慣れた人なら10枚を2時間ほどで仕上げるらしい。
だとすれば時給1万円を超えます。
すごい。
でも、それは慣れた人の数字です。
私が同じものを作ったら、たぶん最初は10時間はかかる。
すると時給2,200円。
さらに、応募の文章を書く時間、やり取りの時間、直しの時間が乗ってきます。
仮に全部で15時間かかったら、時給1,400円ほど。
おまけに、報酬がそのまま口座に入るわけでもありません。
調べたところ、仲介するサイトに手数料が引かれる仕組みで、金額の帯によって割合が変わるそうです。
額面と手取りは別物だ、と考えておいたほうがいい。
それでも私は、ここで気持ちが冷めませんでした。
時給1,400円でも、私の通勤時間より価値がある。
そして何より、2件目・3件目は必ず速くなる。
これはプログラムを書いてきて、体で知っていることです。
1本目に3日かかった処理が、2本目には半日で終わる。
あの感覚と、たぶん同じです。
(55歳・未経験からAI画像づくりを始めてみた話でも書きましたが、私はこの「2回目から速くなる」だけを頼りに動いています)
登録画面で手が止まった、正直なつまずき
仕事を探すサイトのアカウントは、実はもう持っていました。
文章を書く仕事に応募しようと思って、少し前に作ってあったものです。
そこでプロフィールを開いたら、充実度が30パーセントと表示されていました。
放置していた自分の中途半端さを、数字で見せられた気分です。
手が止まったのは「自己PR」の欄でした。
実績がない。
デザインの資格もない。
何を書けばいいのか、10分ほど画面を見つめたまま固まりました。
情けない話です。
55歳にもなって、自分を売り込む文章の一行目が書けない。
結局その日は、こう書いて仮置きしました。
「業務のプログラムを20年以上書いてきました。決められた仕様どおりに、期日を守って納めることが得意です」と。
デザインの実績はゼロでも、期日を守ることと、指示を正確に読むことなら、私は嘘なく書ける。
それだけは、5回転職しても消えなかったものでした。
もうひとつ、調べていて「これは知っておいてよかった」と思ったことがあります。
仕事を出す側の見分け方です。
本人確認が済んでいるか、これまでの募集の数、そして実際に契約まで進んだ割合。
募集はたくさん出ているのに契約がほとんど成立していないアカウントもあるそうで、そういう相手は避けたほうが無難だとされていました。
私は40代のとき、うまい話を信じて70万円を失っています。
あのときの自分に、この「相手を確かめる」という一手間があったなら。
70万円を失った40代の失敗談を思い出しながら、この項目だけはメモに書き写しました。
すごいと思った点と、冷静に見た現実
すごいと思ったのは、お金をかけずに始められることです。
無料で登録でき、無料で作れて、練習作品を並べるところまで一円もいらない。
老後の貯金がゼロの人間にとって、これは本当にありがたい。
冷静に見た現実は、「誰でもすぐに月10万円」という話は、そのまま信じないほうがいいということです。
うまくいっている人の数字は、うまくいった後の数字です。
私が明日そこに立てるわけではない。
私が期待していいのは、月10万円ではなく、「最初の1件」だけだと思っています。
私がこの秋にやること
ひとつだけ決めました。
9月中に、練習作品を5枚つくる。それだけです。
受注はまだしません。
応募もまだしません。
見せられるものが1枚もない状態で手を挙げるのは、私の性格に合わないからです。
作ってから、出す。順番はそれでいい。
もしあなたも「気にはなるけど、自分には無理だろう」と思っているなら、今日できる小さな一歩は、たぶんこれです。
無料で登録して、テンプレート(=ひな形)をひとつ開いて、文字を自分の名前に打ち替えてみる。
5分で終わります。
それでも「向いてないな」と思ったら、やめればいい。
私も、そうやって確かめながら進んでいます。
次回は、実際に作った練習作品を並べてみて、自分でどう感じたかを書きます。
うまくできなかったら、それも隠さずに書きます。

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