50代が月10万稼ぐ在宅ワーク5つを、自分の生活に当てはめてみた

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日曜の朝でした。
8月も終わりだというのに、台所の窓から入ってくる風は、まだ生ぬるいままです。
妻がパート先から帰ってきて、椅子に座るなり言いました。
「腰、そろそろきついわ」
近所のスーパーで、レジと品出しをしています。
笑いながらの一言でしたが、私は笑えませんでした。
続けて、こう言ったからです。
「私、いつまで続けられるやろね」
その日の午前中、私はスマホで「在宅ワーク 50代 男性」と検索しました。
正直に言うと、心の中ではこう思っていました。
「どうせ、パソコンが得意な若い主婦の話だろう」と。
おかしな話です。私は20年以上プログラムを書いてきた人間で、パソコンが得意な側のはずなのに、1円も稼げていない。
そのねじれが、その朝はやけに重たく感じました。
この記事では、こんなことをお話しします。
- 50代が実際に月10万円に届いている在宅ワークは、どんな仕事なのか
- 55歳・往復4時間通勤の私に当てはめたら、そのうちいくつ残ったか
- 手数料まで計算して分かった、「選ぶ順番」の話
在宅ワークを50代の男性が調べると、まず違和感にぶつかる
調べ始めてすぐ、正直に困りました。
出てくる事例が、ほとんど女性なんです。
パートを卒業した人。
子育ての経験を仕事にした人。
ご近所づきあいから仕事につながった人。
どれも立派だと思う一方で、白髪混じりの55歳のおやじが同じ場所に立っている絵が、まったく浮かびませんでした。
ただ、5つの仕事を並べて見ていくうちに、気づいたことがあります。
共通していたのは性別ではなく、「これまでの生活の中にあったもの」を仕事にしている点でした。
着物が好きだった。
子育てで苦労した。
パソコンを少し覚えた。そういうものです。
だとすれば、私にも一応あります。
20年分の業務システムと、5回の転職と、400万円の借金と。
胸を張れる中身ではありませんが、少なくとも「何もない」わけではない。
そう思い直して、5つを紙に書き出しました。
月10万円に届いている5つの仕事と、私の判定
① Canvaでのデザイン制作(判定:◎)
バナー(ネット上の広告画像)、SNSの投稿画像、チラシ、セミナー資料。
こういったものを、依頼された人の代わりに作る仕事です。
ゼロから作るのではなく、テンプレート(=ひな形)やAIで作った下書きを整える形から始めるのが定番だそうです。
これは前回、私が案件の相場を調べて時給に直してみた仕事そのものです。
今も練習作品づくりの途中なので、当然◎。
ここは動かしません。
② SNSの運用代行(判定:〇)
お店や個人のSNSアカウントを、代わりに動かす仕事です。
相場を調べると、1つのアカウントを月額5万円ほどで請け負っている例や、1投稿あたり5,000円という形もありました。
今はリサーチや画像づくりの半分をAIに任せられるので、以前より短い時間で回せるようになっているそうです。
収入としては魅力的です。
ただ私の判定は〇どまり。
理由ははっきりしていて、これは「毎日、決まった時間に反応する」仕事だからです。
往復4時間の電車と、残業のある本業。
返信が半日遅れる日が必ず出ます。
それで迷惑をかけるくらいなら、今は手を出さない。
③ YouTubeでの発信(判定:△)
意外だったのですが、稼いでいる人の多くは広告収入ではなく、説明欄から自分の商品や講座を売る形でした。
しかも趣味や日常がそのまま材料になっている。
着物、手芸、年金暮らしの記録。
特別なことではなく、その人にとっての普通です。
正直、素材なら私にもあります。
借金を返しながら副業を探す55歳の毎日というのは、たぶん、ある層には刺さる。
ただ、顔を出さなくても続けるには相当の体力が要ります。
今の私の生活に、その枠はまだ作れていません。
だから△。
やらないのではなく、今日は選ばない、という意味の△です。
④ 単発のオンラインレッスン(判定:〇)
1時間3,000円ほどで、自分が知っていることを教える形です。
教える場所を用意してくれるサービスがあり、利用する人の年齢層も50代・60代が多いそうです。
ここは、書き出しているときに手が止まりました。
私は、教えられる側ではなく、教える側に立てるのではないか。
デザインの実績はゼロでも、パソコンが苦手な同年代に、表計算の使い方やAIへの指示の出し方を説明することなら、嘘なくできます。
会社でも、若い人より同年代からのほうが質問されます。
ただし注意点も見つけました。
単発レッスンだけを続けると、忙しいわりに収入が増えずに疲れてしまう人が多いそうです。
ここは後で書きます。
⑤ オンライン講座(判定:✕、ただし今は)
自分の経験を3か月や6か月の講座にまとめて売る形で、相場は30万円ほど。
5つの中でいちばん大きく稼げているのがここでした。
でも私の判定は✕です。
理由は単純で、実績が1つもない55歳から30万円の講座を買う人は、いません。
順番が逆なんです。
ここは、①や④を積んだ先にある景色だと考えることにしました。
電卓を叩いたら、選ぶ順番が変わった
ここからが、私が実際に手を動かした部分です。
調べていて引っかかったのが手数料でした。
仲介してくれるサービスを通して講座を売った場合、売上の30パーセントが引かれる形もあるそうです。
長年、見積書の数字を疑うのが仕事だった性分で、私はすぐ電卓を出しました。
8万8,000円の商品が1件売れたとします。
30パーセントなら、引かれるのは2万6,400円。
手に残るのは6万1,600円です。
額面と手取りは、まったく別物でした。
「月8万円」と聞いて頭に浮かぶ生活と、6万円ちょっとで組める生活は違います。
さらに気になったのが、こういう場所ではお客さんと直接つながることが禁止されているケースがあることでした。
プログラマーの言い方をすると、他人のサーバーの上に、自分の店を建てているようなものです。
規約が変われば、店ごと消える可能性がある。
私は仕事でその手の事故を何度か見てきました。
とはいえ、だから使うな、とは思いませんでした。
実績がゼロのうちは、その30パーセントは「宣伝費」だと考えるほうが正しい。
お客さんを連れてきてもらう対価です。
自分の看板が立ってから、そこを出ればいい。
順番の問題でした。
5つを紙に書き出して、共通していたこと
並べ終えて、いちばん腑に落ちたのはこれです。
稼げているのは、目新しい仕事ではなく、昔からある仕事に新しい技術を少しだけ足したものでした。
デザイン制作も、代行も、教える仕事も、20年前からある仕事です。
そこにAIが乗っただけ。
これは、業務システムの世界にいた人間としては、痛いほど分かる話でした。
流行りの技術に飛び乗った人より、地味な帳票や在庫管理を守り続けた人のほうが、10年後も仕事を持っている。
私は現場で、それを何度も見てきました。
まさか自分の副業選びで同じ結論に戻るとは思いませんでしたが。
正直な感想と、私に残った2つ
調べ終えて分かったのは、私に足りないのは技術ではなく、「人に見せられる形」だということでした。
20年の経験は、履歴書の外では何の証明にもならない。
5つのうち、私に残ったのは①のデザイン制作と、④の教える仕事の2つです。
3つは、今の生活では正直に無理でした。
無理なものを「やります」と書くほうが、よほど恥ずかしいと思っています。
私が9月にやること
2つだけ決めました。
ひとつは、先月から続けているCanvaの練習作品を、今度こそ5枚仕上げること。
もうひとつは、「自分が1時間3,000円で教えられること」を、紙に10個書き出すことです。
売り出すのはまだ先で構いません。
まず、自分に何が残っているのかを確かめます。
もしあなたも「在宅ワークなんて自分には縁がない」と思っているなら、今日できる小さな一歩はこれです。
この記事の5つのうち、「これなら自分の生活に入りそうだ」と思うものを、1つだけ選んでみてください。
紙に書く必要もありません。
選ぶだけで十分です。
私も、そうやって5つを2つに減らしただけの日曜日でした。
それでも、何もしなかった日曜日よりはましだと思っています。

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